【読書】沈まぬ太陽@山崎豊子












山崎豊子氏の本は実は初めて読んだが、「すごい」。この一言に尽きる。

1週間、寝食忘れて貪るように読んでしまった。

仕事中も、続きが読みたい衝動に駆られながらも我慢するのが大変でした。

読後もまだ余韻に浸ってしまっている。


この本、日本航空の実在の元社員を主人公としたモデル小説。

実際にあった出来事を5年間かけて徹底的に取材をし、小説風に再構築したものとのこと。

        • 内容:wikiより----

国民航空社員(モデルは日本航空)で同社の労働組合委員長を務めた主人公、恩地元(実在の日本航空元社員・小倉寛太郎がモデル)が受けた不条理な内情を描き、人間の真実を描いた作品。フラッグ・キャリアの腐敗と、単独機の事故として史上最悪の死者を出した日航機墜落事故を主題に、人の生命に直結する航空会社の社会倫理を鋭く抉り出した作品である。

        • ここまで----


途中、1985年の日航機墜落事故の話も丸々1巻かけてあるが、当時12歳だった私は、テレビの上空からの現場映像でしか事故の様子を見たことがなかったため、ただ、大変なことが起こった程度しかわからなかったが、事故現場の惨状の様子が、をまるで当時その場にいたような錯覚さえ起こすほど詳細に書かれている。
24年前の出来事だが、夏休みは毎年K叔母のところに遊びに行っていたので、テレビで私と同じくらいの生存者の女の子が救助隊員に抱きかかえれられてヘリで救助される光景は、今でもはっきりと思い出せる。

1巻〜3巻まではかなり泣いてしまう。正直涙なくしては読めない。
4・5巻は歯痒さと怒りで更に読むスピードが上がってしまった。


しかし、本に出てくる政治家などのモデルを探すのはなかなか興味深かった。

田中角栄元総理の話もちらっと出ていたので色々見ていたら、田中真紀子氏のwikiを発見。

小説の内容がハードだったために、田中真紀子語録を読んで思わず笑って心の緊張が解けた気がする。

かなり、ギリギリの発言が多いため、ギリギリ笑って許せるものだけwikiから抜粋。



田中真紀子語録

・「小泉さんも自民党をぶっ潰すとか何とかおっしゃってましたけど、この小沢先生は本当にぶっ壊してきた実績がおありの方ですから」:小沢一郎を指して。

・「『もなか』だか『おなか』だか」:野中広務を指して。

・「静かじゃない人」:亀井静香を指して。

・「カレー食って下痢して顔が細くなったような人」:細田博之を指して。

・「ヅラ被ったおっさん」:与謝野馨を指して。

・「大風呂敷おばさん」:風呂敷の有効利用を促した環境大臣小池百合子を指して。

・「ポマードを(べったり)頭につけたおっちゃん」:首相辞任後の橋本龍太郎を指して。

麻生太郎を「ひょっとこ総理」と命名した。


私の一番のヒットは「静かじゃない人」。

問題発言の多い方ですが、これだけの比喩はなかなか普通の人では思いつかないかと。

ちなみに、沈まぬ太陽でも、「じゃじゃ馬娘」という不名誉な呼ばれ方で登場されておりました。


話がずれたが、何度も立ち消えにされたという黒い噂のあるこの作品の映画化。

ついに実現し、今秋ロードショー予定とのこと。

主演は、「渡辺謙」。

うーん、ぴったり。楽しみである。