バリでの読書 櫻井よしこ著「何があっても大丈夫」


帰国便は夜中12時頃の出発だったので、最終日の時間つぶしは結構大変でした。

やっぱり、エステ6時間パックにして最後の最後までマッサージするべきだったか?!

ということで、自分癒しの旅は無事終了。

やっぱりアジアのリゾートではバリが好きかも。


今回、プールサイドでのんびり読書を楽しむことを目的としてましたが、
お供の本は、今日の出来事発のニュースキャスターに抜擢され、社会派ジャーナリストとして
活躍されている櫻井よしこさんの「何があっても大丈夫」と、中沢新一の「アースダイバー」

アースダイバーは縄文時代の地図と現代の地図を重ね合わせて色々な観点から東京を観るというなんとも面白い本であるが、今回は櫻井よしこさんの本だけしか読めなかったのでここでは割愛。

で、櫻井よしこさんの、「何があっても大丈夫」。

感想は、一言で言うと「母は強し」

この“何があっても大丈夫”という言葉は、櫻井よしこさんのお母さんが、困難なことが起こったときに子供達に言い続けた言葉。
どんなに困難でどんなにつらい状況になっても、愛少女ポリアンナの「よかった探し」よりももっと強烈なポジティブシンキングでとにかく明るく前向きに生きて子供を育ててきたお母さんの半生も綴られておりとにかく読み応えがありました。

個人的に櫻井よしこさんは好きな著名人だったのですが、まさかこんな劇的な半生を歩まれていたとは思ってもみませんでした。

敗戦直後にベトナム野戦病院で生まれ、引き上げ後に父が東京で二号さんを作り、二号さんのところから帰らなくなり、突然母子3人で暮らしていくことになる。
貧しいながらも明るくて超ポジティブなお母さんとお兄さんとで暮らしていくが、高校卒業時期に父がハワイでレストラン経営をすることになり、いろいろな事情により父を手伝うためハワイに単身渡り、ハワイ州立大学に入学。
父のレストランの手伝いと勉学との両立に悩まされながらも健気に頑張っていたが、父の女性関係でレストランを騙し取られたため、父は帰国を余儀なくされる。このまま卒業したいよしこは、父親との確執もあり、一切の援助をもわらない条件で自活をしながらハワイ大学に通い続け自力で卒業をする。
帰国後は、ジャーナリストの世界に入るつもりはなかったものの、色々な縁で米紙クリスチャン・サイエンス・モニターの東京支局員となり、日本テレビの「きょうの出来事」の初代女性ニュースキャスターに抜擢され、16年間勤める。

ちょっと勝手なお父さんが原因で家族が振り回されたり悩まされたりするのですが、お母さんの人柄がとてもすばらしく、一つ一つの言動に感動してしまいます。
読んでいて心が癒されました。

お母さんの人柄がわかるところを少しだけ抜粋

思春期に入ったよしこが、なぜ父は勝手なのか、なぜ母だけが苦労しなければならないのか、またなぜ母は、父や愛人のことを悪く言わないのかを問うたときの話。

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母は、ひとりひとりの幸せはその人自身が決めるものだとも言った。
真人村万年下屋敷に生まれたことを常に感謝し、機織をして家計を助けることができたことも感謝して暮らしてきたと語った。
努力して努力して、上手に機を織り、他の人の反物よりも高く買い上げてもらったことを幸せに思い、そのお金を父親に渡して喜んでもらえたことは親孝行ができたことであり、本当に幸せだと思ったというのだ。
「幸せはね、みんなの前にあるの。見つけることが出来るかどうか、それは気持ち次第なの。大事なことは、神様はどんな人にも幸せになってほしいと思っていらっしゃること。
だから、お父さんや女の人も、皆、幸せでいることがいいことなの」
神様は全ての人が幸せになるよう願っていらっしゃる。全ての人が幸せになるために生まれてきた。この母の言葉は私の心の中に浸み込んでいった。
人間の心の中には競争心もあれば嫉妬心もある。他人を退けたくなることも恨みたくなることもある。自分がそのような後ろ向きの気持ちに陥ろうとするとき、私は母の言葉を想い出す。どんな人も幸せになる権利があり、それは天の意思なのだと。小さな存在の人間に過ぎない身で天の意思に反して、他の人を恨んだりするのは不遜である。他の生き物よりも恵まれた資質を与えられた人間として生を受けたからには、出来るだけ前向きに生きよとも、母は繰り返し言い聞かせてくれた。

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「幸せはみんなの前にある。見つけることができるかどうか、それは気持ち次第」
本当にそうであると思います。


口で言うのは誰でもできますが、このお母さんは自然に実行できるころが
本当にすごいと思います。
この本をセレクトして本当によかった。

今回の旅は、ほんとに心身ともに癒されました。